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COLUMN

レンタルサーバーのPHPバージョン変更の手順、主要3社の設定場所と注意点

更新・保守・トラブル公開日
レンタルサーバーのPHPバージョン変更の前に、チェック表を手にノートパソコンを見て準備する事業者のイラスト

この記事でわかること

  • レンタルサーバーでPHPのバージョンを変更する前に調べること
  • ロリポップ、エックスサーバー、さくらでPHPを切り替える画面の場所
  • 切り替えたあとにホームページで確かめる項目
  • 表示がおかしくなったときに元の設定へ切り替える考え方
  • 自分でできる範囲と、頼んだ方がよい範囲の分け方

レンタルサーバーのPHPのバージョン変更は、多くの場合、サーバーの管理画面でバージョンを選んで保存するだけで終わります。手間がかかるのは、その前後です。いまのバージョンを控え、バックアップを取り、WordPressのテーマやプラグインが新しいバージョンで動くかを調べてから切り替えます。この記事では、ロリポップ、エックスサーバー、さくらのレンタルサーバで設定する場所を各社の公式ヘルプで確かめた範囲で示し、変更後に確かめる項目、元に戻すときの考え方、自分でできる範囲と頼む範囲を順に説明します。

レンタルサーバーでPHPのバージョンを変更する前に知っておくこと

PHP(ピーエイチピー)は、WordPressなど多くのホームページの仕組みを動かしているプログラムの言葉です。レンタルサーバーでは、どのバージョンのPHPでホームページを動かすかを、契約者が管理画面で選べるようになっています。

PHPの各バージョンには、開発元が手入れを続ける期間があります。PHPの公式サイトでは、各バージョンは公開から2年間は不具合と安全上の問題の修正を受け、その後の2年間は重大な安全上の問題だけが直される、と説明されています。期間が終わったバージョンは修正が出なくなるので、使い続けると直されない弱点を抱えたままになります(出典: PHP公式サイト「Supported Versions」)。期限が近いバージョンの話はPHP 8.1のサポート終了で、緊急の脆弱性が出たときの進め方はPHPの脆弱性にWordPressで対応する手順でまとめています。

図解・流れレンタルサーバーでPHPのバージョンを変更する流れ
  1. 1いまのバージョンを控える管理画面やWordPressの画面で調べて、メモに残す
  2. 2バックアップと下調べサイトとデータベースを保存し、テーマとプラグインが動くかを調べる
  3. 3管理画面で切り替えるドメインごとに、変えたいバージョンを選んで保存する
  4. 4表示と動きを確かめるページ、フォーム、管理画面を開いて、おかしな点がないかを見る
  5. 5問題があれば元の設定へ控えておいたバージョンを選び直し、原因を探してからやり直す

管理画面での切り替えは一瞬ですが、その前の下調べと、あとの確認に時間を取ります。おかしくなったら元の設定へ切り替えて、原因を探します。

切り替えでホームページが止まることがある理由

PHPは、新しいバージョンで古い書き方が使えなくなることがあります。テーマやプラグインが古い書き方のままだと、切り替えた直後に画面が真っ白になったり、エラーの文章が出たりします。各社のヘルプでも、バージョンを変えるとホームページやアプリケーションが正常に動かなくなる場合があると注意されています。

つまり、管理画面の操作そのものよりも、いま使っている部品が新しいバージョンに合っているかを先に調べることが、この作業の中心です。

変更の前に、いまのPHPのバージョンを調べて控える

最初に、いまどのバージョンで動いているかを調べてメモに残します。元に戻すことになったとき、どれに戻せばよいかが分からないと困るためです。調べる場所は2つあります。

レンタルサーバーのPHPバージョンを変更する前に、いまのバージョンを画面から手帳に書き写す女性のイラスト
切り替える前のバージョンを手元に書いておくと、元に戻すときに迷いません。

レンタルサーバーの管理画面で調べる

このあと説明する各社の設定画面では、ドメインごとにいまのバージョンが表示されます。ロリポップの「PHP設定」、エックスサーバーの「PHP Ver.切替」、さくらのレンタルサーバの「言語バージョン設定」がその画面です。設定を変える前に、表示されているバージョンをそのまま書き写しておきます。

WordPressのサイトヘルスで調べる

WordPressの管理画面に入れるなら、「ツール」の「サイトヘルス」にある「情報」の画面で、サーバーの情報としてPHPのバージョンを見られます。同じ画面では、使っているテーマとプラグインの名前とバージョンも一覧で見られます(出典: WordPress.org「Site Health screen」)。下調べのときにこの一覧を写しておくと、どの部品を調べればよいかが分かります。

切り替える前に控えておくこと

  • いまのPHPのバージョン(ドメインごと)
  • 使っているテーマの名前とバージョン
  • 有効にしているプラグインの名前とバージョン
  • サーバーの管理画面とWordPressの管理画面のログイン情報
  • バックアップを取った日時と、保存した場所

バックアップを取ってから進める

バックアップは、サイトのファイルとデータベースの両方を取ります。レンタルサーバーに自動のバックアップがあっても、どこまで戻せるかは契約や設定によって違います。作業の直前に自分でも1つ取っておくと安心です。テーマとプラグインが新しいバージョンで動くかの調べ方は、WordPressのプラグインがPHP 8に対応しているかの確認で手順をまとめています。

ロリポップでPHPのバージョンを変える場所

ロリポップでは、ユーザー専用ページから切り替えます。公式マニュアルで確かめた手順は次のとおりです(出典: ロリポップ!レンタルサーバー「PHP設定」)。

  1. ユーザー専用ページにログインする
  2. 「サーバーの管理・設定」にある「PHP設定」を開く
  3. ドメインごとのいまのバージョンを確かめる
  4. 変えたいドメインのバージョンを選び、「変更」を押す
  5. 反映まで5〜10分ほど待ってから、ホームページを開いて確かめる

設定はドメインごとにでき、すべてのドメインにまとめて設定することもできます。複数のドメインでホームページを動かしている場合は、まず1つのドメインで試し、問題がないことを見てからほかに広げると、止まるページを少なくできます。

ロリポップのマニュアルに書かれている注意

  • PHP7.1未満のバージョンから上げた場合は、変更前のバージョンに戻せない
  • WordPressを使っている場合は、テーマとプラグインが変更後のバージョンに対応しているかを先に調べる
  • 変更後に「データベース接続確立エラー」が出る場合は、データベースのパスワード形式を変える必要がある
  • php.iniの設定を変えられるのはCGI版だけで、モジュール版とLiteSpeed版では変えられない

古いバージョンから上げるときは、戻れない前提で準備する

PHP7.1未満で動いているホームページは、上げたあとに元の設定へ切り替えられません。長く手を入れていないサイトほど、テーマやプラグインも古いことが多いので、バックアップと下調べを先に済ませ、止まった場合にどう直すかまで決めてから切り替えてください。

エックスサーバーでPHPのバージョンを切り替える場所

エックスサーバーでは、サーバーパネルの「PHP Ver.切替」から切り替えます。公式マニュアルで案内されている流れは次のとおりです(出典: エックスサーバー マニュアル「PHP Ver.切替」)。

  1. サーバーパネルにログインする
  2. 「PHP Ver.切替」を開く
  3. 変えたいドメインの右側にある編集のアイコンを押す
  4. いまのバージョンを確かめ、「変更後のバージョン」から選ぶ
  5. 「設定する」を押し、ホームページを開いて確かめる

エックスサーバーのマニュアルには、新しいサーバーパネル向けのページと、以前のサーバーパネル向けのページがあります。以前の画面ではボタンの名前が違うため、自分の画面に合うマニュアルを開いてください。選べるバージョンの一覧も同じマニュアルに載っていて、時期によって変わるので、切り替える前に公式マニュアルで確かめます。

エックスサーバーで切り替える前に見ておくこと

エックスサーバーで切り替える前に見ておくこと
見るところ理由
対象のドメイン設定はドメインごと。別のドメインを選ぶと、関係のないサイトが切り替わる
いまのバージョンの表示元の設定へ切り替えるときに選ぶバージョンになる
マニュアルの種類新旧のサーバーパネルで画面とボタンの名前が違う

さくらのレンタルサーバでPHPのバージョンを変える場所

さくらのレンタルサーバでは、サーバーコントロールパネルの「スクリプト設定」にある「言語バージョン設定」で切り替えます。公式のサポート情報で確かめた手順は次のとおりです(出典: さくらのサポート情報「PHPのバージョンを変更したい」)。

  1. サーバーコントロールパネルにログインする
  2. 「スクリプト設定」の「言語バージョン設定」を開く
  3. PHPのバージョンを選び、「保存する」を押す
  4. 表示が選んだバージョンに変わっていれば完了

ログインのしかたで、表示される画面が変わる

さくらのサポート情報によると、メールアドレスとパスワードでログインすると、メールの設定しか表示されません。初期ドメインか追加したドメインと、パスワードでログインします。言語バージョン設定が見当たらないときは、ログインのしかたを見直してください。

さくらのサポート情報に書かれている注意

  • バージョンを変えると、アプリケーションが使えなくなることがある。変更後はサイトの表示や投稿を確かめる
  • 不具合が出たら、古いバージョンを選び直して保存すると元の環境に戻せる
  • モジュールモードを使うときは、バージョンを選ぶときに「モジュール」にチェックを入れる。ライトのプランはモジュールモードに対応していない
  • 契約した時期によって、初めから設定されているバージョンが違う
  • ionCube Loaderという部品が必要なアプリケーションは、PHPを変えると動かなくなる場合がある

このサポート情報には、ドメインごとに別のバージョンを設定できるかどうかは書かれていません。1つの契約で複数のドメインのホームページを動かしている場合は、切り替えがどのサイトに及ぶかを、さくらのサポート情報で確かめてから進めてください。

変更したあとにホームページで確かめる項目

切り替えたら、画面が出るかだけでなく、お客様が使う機能と、自分が使う管理画面の両方を確かめます。トップページは表示されるのに、問い合わせフォームの送信だけが失敗する、ということもあるためです。

図解・チェックPHPのバージョンを変更したあとに確かめる項目
  • 主なページが開けるかトップ、サービスや料金、会社概要、お知らせの一覧と記事
  • スマホでも崩れていないかパソコンだけでなく、スマホのブラウザでも開いてみる
  • 問い合わせフォームが送れるか自分で送信して、通知のメールと自動返信が届くかを見る
  • 管理画面に入れるかログインして、記事の保存や画像の追加ができるかを試す
  • 予約やネット販売の機能使っている場合は、申し込みの画面を最後まで進めてみる

上から順に、お客様の目に触れるところから確かめます。1つでもおかしければ、元の設定へ切り替えることを考えます。

エラーの文章が出たときに控えること

画面にエラーの文章が出たら、慌てて閉じずに、画面の写真を撮るか文章を書き写しておきます。どのファイルのどこで止まったかが書かれていることが多く、原因の部品を探す手がかりになります。WordPressで「このサイトで重大なエラーが発生しました」と表示された場合の進め方は、「重大なエラーが発生しました」の原因と直し方で説明しています。

切り替えから少し時間をおいて、もう一度確かめるのもおすすめです。ロリポップのように反映まで数分かかるサーバーでは、直後に開いたページがまだ前の設定で動いていることがあります。

表示がおかしくなったときに元の設定へ切り替える

切り替えたあとにホームページがおかしくなったら、まずは控えておいたバージョンを同じ画面で選び直し、表示を元に戻します。お客様が見られない時間を短くすることを先にして、原因探しはそのあとにします。

元の設定へ切り替えるときの各社の扱い(各社の公式ヘルプをもとに作成)
レンタルサーバー元の設定への切り替え注意
ロリポップPHP設定の画面で選び直すPHP7.1未満から上げた場合は戻せない
エックスサーバーPHP Ver.切替の画面で選び直す選べるバージョンは公式マニュアルで確かめる
さくらのレンタルサーバ古いバージョンを選び直して保存する選べるバージョンは時期によって変わる

元の設定に戻せても、それで終わりではありません。古いバージョンのままでは、修正が出なくなる時期がいずれ来ます。表示を戻したら、エラーの文章をもとに合わない部品を探し、部品を新しくするか別のものに替えてから、もう一度切り替えます。画面が真っ白になった場合の戻し方と原因の探し方は、PHPを更新したらサイトが真っ白になったときの手順で詳しく書いています。

選べるバージョンがなくなっていることもある

レンタルサーバーは、古いバージョンの提供をやめることがあります。提供が終わったバージョンには戻せないため、切り替える前に、いまのバージョンがまだ選べるかを各社の公式ヘルプで確かめておいてください。

PHPのバージョン変更で、自分でできる範囲と頼む範囲

管理画面での切り替えそのものは、ログインできれば自分でもできます。難しいのは、動かない部品が見つかったときの直し方と、管理画面に入れない場合です。目安は次のとおりです。

自分でできることが多い作業と、頼んだ方がよい作業
作業自分でできることが多い頼んだ方がよい
いまのバージョンを調べる管理画面やサイトヘルスで見るサーバーのログイン情報が分からない
下調べとバックアップテーマとプラグインの一覧を写す、バックアップ機能を使う独自に作り込んだテーマやプログラムがある
切り替えと確認管理画面で選んで保存し、ページとフォームを確かめる予約やネット販売など、止まると困る機能がある
おかしくなったとき元の設定へ選び直す元に戻せない、エラーの直し方が分からない
レンタルサーバーのPHPバージョン変更を、控えておいたプラグインの一覧を見せながら相談する事業者のイラスト
いまのバージョンとテーマ・プラグインの一覧があれば、相談を受けた側も動かない部品の見当をつけやすくなります。

頼む先は、まず作った会社や保守をお願いしている会社です。作った会社と連絡が取れず、ログイン情報も分からない場合の進め方は制作会社と連絡が取れないホームページを更新する方法にまとめています。検証用の環境で試してから本番に反映する進め方はPHPアップデートの依頼のページで説明しています。

PHPの切り替えは、ホームページを持ち続けるかぎり何年かおきにやってくる作業です。ふだんの更新とあわせて誰が受け持つかを決めておくと、急な脆弱性の知らせにも慌てずに済みます。日々の手入れの分け方はホームページの更新の方法で、保守にかかるお金の考え方はホームページの維持費で説明しています。

頼む前にまとめておくこと

  • ホームページのURLと、使っているレンタルサーバーの名前
  • いまのPHPのバージョンと、変えたいバージョン
  • WordPressかどうか、使っているテーマとプラグインの一覧
  • サーバーとWordPressの管理画面にログインできるか
  • 予約、ネット販売、会員機能など、止まると困る機能の有無
  • すでに切り替えて止まっている場合は、エラーの文章か画面の写真

レンタルサーバーのPHPバージョン変更で最初にやること

最後に、作業の順番を短くまとめます。

  1. サーバーの管理画面かWordPressのサイトヘルスで、いまのバージョンを調べて控える
  2. サイトのファイルとデータベースのバックアップを取る
  3. テーマとプラグインが変えたいバージョンで動くかを調べる
  4. 使っているレンタルサーバーの公式ヘルプを開き、設定の場所と注意を確かめる
  5. 1つのドメインで切り替え、ページ、フォーム、管理画面を確かめる
  6. おかしければ元の設定へ選び直し、原因を探してからやり直す

ロリポップ、エックスサーバー、さくらのレンタルサーバのどれも、切り替えの画面そのものは分かりやすく作られています。そのぶん、下調べを飛ばしてボタンを押してしまいがちです。控える、保存する、調べる、の3つを済ませてから切り替えてください。

uparia の月額プラン(制作費0円・月額2,980円から・最低契約期間12か月)には、独自ドメイン、サーバー、SSL、保守が含まれます。買い切りで作ったサイトやほかの会社で作ったホームページは、月額保守(月5,000円、最低契約期間なし)でサーバーの管理や障害への対応をお受けしています。PHPの切り替えの下調べや、切り替えて止まったサイトの相談は、PHPアップデートの依頼からお問い合わせください。

よくある質問

PHPのバージョンを変えると、ホームページの見た目は変わりますか?

テーマやプラグインが新しいバージョンに合っていれば、見た目はふつう変わりません。合っていない部品があると、一部が崩れたり、画面が真っ白になったり、エラーの文章が出たりします。変えたあとは、主なページとスマホでの表示を開いて確かめてください。

WordPressを使っていないホームページでも、PHPのバージョンは関係ありますか?

HTMLだけで作ったホームページはPHPを使わないため、ふつうは影響しません。ただし、問い合わせフォームやお知らせの機能だけPHPで動いていることがあります。どの機能がPHPで動いているか分からない場合は、作った会社に聞くか、切り替えたあとにフォームの送信まで試してください。

切り替えはホームページを見ている人がいる時間でもできますか?

切り替え自体はいつでもできますが、合わない部品があると、その間ホームページが見られなくなります。問い合わせや予約が少ない時間を選び、元の設定へすぐ切り替えられるよう、いまのバージョンを控えてから作業すると安心です。

レンタルサーバーが自動でPHPのバージョンを上げることはありますか?

レンタルサーバーによっては、古いバージョンの提供をやめる時期に合わせて、案内を出したうえで設定を切り替えることがあります。契約しているサーバーからのお知らせのメールや、管理画面のお知らせを見落とさないようにしてください。扱いは会社ごとに違うので、公式の案内で確かめます。

どのバージョンを選べばよいか分かりません。

まず、使っているテーマとプラグインが動くと書かれているバージョンを調べ、その範囲で、PHPの公式サイトで修正が続いている期間のバージョンを選びます。WordPress本体が求めるバージョンはWordPress.orgの公開情報で確かめられます。迷う場合は、選ぶ前に作った会社か保守の依頼先に相談してください。

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