
この記事でわかること
- 予約システムを自作する3つの方法と、それぞれ向いている規模
- 自作でつまずきやすい二重予約、通知、キャンセル、個人情報の扱い
- 予約サービスを導入するメリットと、自作との6つの比べどころ
- 予約システムの導入費用の考え方と、LINE予約を始める手順
- 自作をやめて頼んだ方がよい条件と、迷ったときの進め方
予約システムは自作できます。予約の数が少なく、受け付ける人が1人なら、フォームと表計算ソフトで組む方法でも十分に回ります。ただ、スタッフが増える、席や部屋を分けて管理する、前日に通知を送る、といった条件が加わると、作るより続けるほうが負担になります。この記事では、予約システムを自作する3つの方法と、つまずきやすいところ、予約サービスを導入する場合との比べ方、導入費用の考え方、LINE予約の始め方を順にまとめます。最後に、自作をやめて頼んだ方がよい条件も挙げます。
予約システムは自作できる?先に知っておきたいこと
予約システムを自作すること自体は、今は難しくありません。無料で使えるフォームと表計算ソフトを組み合わせれば、予約を受け付けて一覧にするところまでは、プログラムを書かずに形になります。

差が出るのは、予約を受けた後の仕事です。同じ時間に2件入らないようにする、空いている枠を見せる、確認や前日のお知らせを送る、キャンセルを受けて枠を戻す。電話や紙なら人が頭の中でやっていたことを、仕組みに置き換える必要があります。
| 仕事 | 中身 | 自作での手間 |
|---|---|---|
| 受け付ける | 名前、連絡先、希望の日時、メニューを受け取る | 小さい。フォームで足りる |
| 空きを見せる | 埋まった枠を隠し、空いている枠だけ選べるようにする | 大きい。フォームだけではできない |
| 重なりを防ぐ | 同じ枠に2件入らないようにする | 大きい。人の確認で補うことが多い |
| 知らせる | 受付の確認、前日のお知らせ、変更の連絡 | 中くらい。仕組みを足す必要がある |
| 変更と取り消し | 日時の変更、キャンセル、枠を戻す | 大きい。手作業が残りやすい |
表の上の1行だけでよいなら自作で十分です。下の行まで仕組みで回したいなら、自作の手間と予約サービスの利用料を並べて考える段階に入ります。どこまで任せたいかを先に決めておくと、方法の選び方がはっきりします。
予約システムを自作する3つの方法
自作の方法は、大きく分けて3つあります。上から順に始めやすく、下に行くほど自由に作れる代わりに手間と知識が要ります。
| 方法 | 向いている規模 | 注意すること |
|---|---|---|
| フォームと表計算で組む | 受け付ける人が1人、予約が少ない | 空き枠の表示と重なりの確認は人がやる |
| WordPressに予約の機能を足す | すでにWordPressのサイトがある | 機能の追加部品と本体の更新を続ける |
| 一から開発する | 業務の流れが独特で、既製品が合わない | 作る費用と、直し続ける体制が要る |
フォームと表計算で組む方法
Googleフォームなどの入力フォームで予約を受け、回答を表計算ソフトにためる方法です。受け付けた内容が自動で一覧になるので、電話のメモを書き写す手間がなくなります。お客さまの一覧と合わせて管理したい場合は、顧客管理をスプレッドシートで行う方法の考え方がそのまま使えます。
弱いのは、空いている枠を見せることです。フォームは選択肢を出すだけなので、埋まった時間を自動で消すことは基本の機能ではできません。予約が入るたびに選択肢を手で直すか、受付後に「この時間で確定です」と返信する運用で補うことになります。
WordPressに予約の機能を足す方法
お店のサイトをWordPressで作っているなら、予約の機能を持つ追加部品(プラグイン)を入れる方法があります。空き枠のカレンダー表示や確認メールまで備えたものもあり、サイトの中で予約が完結します。
その代わり、WordPress本体と追加部品を新しい版に保ち続ける必要があります。予約の部品が更新されなくなったり、本体の更新で動かなくなったりすると、予約が止まります。作成サービスで作ったサイトの場合は、そのサービスに予約の機能があるかを先に確かめてください。
一から開発する方法
プログラムを書いて、自分の業務に合わせた予約の仕組みを作る方法です。席と担当者を組み合わせて枠を決める、回数券の残りと連動させる、といった既製品では合わない流れにも対応できます。表計算ソフトに付いている自動化の仕組みで部分的に作る方法もあり、何ができるかはGoogle Apps Scriptでできることで説明しています。
ただし、作って終わりではありません。不具合の直し、使っている部品の更新、利用するサービスの仕様変更への対応が続きます。作った人がいなくなると直せなくなるため、誰が直し続けるのかまで決めてから始めるのが安全です。
予約システムの自作でつまずきやすい5つのところ
自作の予約の仕組みについて相談を受けると、止まっている場所には共通点があります。作り始める前に、次の5つを自分の場合に当てはめてみてください。

同じ時間に2件入ってしまう
フォームで受ける方法では、ほぼ同じ時間に送られた2件を止める仕組みがありません。電話の予約と並行していると、なおさら重なります。受付のたびに一覧を見て確定の返信をする、という人の確認を最後に残しておくと事故を防げます。
確認やお知らせのメールが届かない
自動返信が迷惑メールに入る、お客さまのアドレスの打ち間違いで届かない、という相談はよくあります。公開前に複数のメールアドレスで試し、届かなかった場合に電話で確認する手順も決めておいてください。フォームの作り方の基本は問い合わせフォームの作り方でまとめています。
変更とキャンセルが手作業で残る
受け付けまでは自動でも、日時の変更やキャンセルは電話やメールで受けて、手で一覧を直すことになりがちです。予約が増えるほど、この直しの作業が負担の中心になります。
スタッフや部屋が増えると組み直しになる
1人で受ける前提で作った仕組みは、担当者を選べるようにする、部屋や席を分ける、といった変更に弱く、多くの場合は作り直しになります。半年先、1年先にどう変わりそうかも考えてから方法を選んでください。
名前と連絡先を預かる責任がある
予約では、お客さまの名前や電話番号、メールアドレスを預かります。表計算ソフトの共有の設定を誤って、誰でも見られる状態にしてしまう例もあります。共有する相手を絞る、使わなくなった情報は消す、といった扱いのルールを先に決めておきます。
個人情報の扱いは公式の資料で確かめる
個人情報の扱いについては、個人情報保護委員会が法令やガイドラインのほか、中小企業向けの自己点検チェックリストなどを公開しています。予約で預かる情報の管理方法を決めるときの確認に使えます(出典: 個人情報保護委員会「法令・ガイドライン等」、個人情報保護委員会の公式サイトで確認)。
予約システムの導入サービスを使う場合
自作のほかに、予約の機能を月額などで貸し出しているサービスを導入する方法があります。空き枠の表示、重なりの防止、確認と前日のお知らせ、変更とキャンセルの受付まで、最初からそろっているものが多く、申し込めばその日から使い始められるものもあります。
予約システムを導入するメリット
- 空き枠の表示や二重予約の防止を、自分で作らなくてよい
- 不具合の直しや仕様の更新は、サービスの側が行う
- お客さまが24時間いつでも予約できるので、電話に出られない時間の取りこぼしが減る
- 予約の一覧や来店の記録を、スタッフ全員で同じ画面から見られる
導入する前に確かめておきたいこと
メリットがある一方で、決まった形に業務を合わせることになります。メニューの組み方、キャンセルの扱い、支払いの方法など、自分のお店のやり方と合わない部分がないかを、無料の試用期間などで確かめてから決めてください。
予約サービスを選ぶときの確認項目
- 自分の予約の単位(人、席、部屋、時間)で枠を作れるか
- 利用料が予約件数やスタッフ数で変わるか、変わるならどう変わるか
- お客さまの情報を、やめるときに書き出して持ち出せるか
- 自分のサイトやLINE公式アカウントから予約ページへつなげられるか
- 料金や仕様は、各サービスの公式サイトの最新の案内で確かめたか
特に3つ目の、やめるときの持ち出しは見落とされがちです。お客さまの一覧がサービスの中にしか無いと、乗り換えるときに困ります。予約の仕組みを入れることは、お店の仕事の進め方全体を見直すきっかけにもなるので、店舗のDXの進め方とあわせて考えてみてください。
予約システムは自作か導入か、6つの点で比べる
自作と導入サービスのどちらが良いかは、お店の規模と、これから先の変わり方で決まります。どちらにも良いところがあるので、主な違いを並べて自分の場合に当てはめてください。
自作する
- 出ていくお金を小さく始められる
- 自分の業務に合わせて形を決められる
- 空き枠の表示や重なりの防止は手間が要る
- 直しと更新を続けるのは自分
導入サービスを使う
- 空き枠の表示や通知が最初からそろっている
- 直しと更新はサービスの側が行う
- 利用料が続けてかかる
- 決まった形に業務を合わせる
自作は出ていくお金を抑えやすく、導入サービスは続ける手間を任せられます。どちらを重く見るかで選び方が変わります。
| 比べること | 自作する | 導入サービスを使う |
|---|---|---|
| 始めるときのお金 | 小さく始めやすい | 初期費用が要るものと要らないものがある |
| 続けるお金 | 自分の時間が中心 | 利用料が続く |
| 使い始めるまで | 作る時間が要る | 申し込めば早く始められる |
| 業務への合わせやすさ | 自由に決められる | サービスの形に合わせる |
| 不具合と更新 | 自分で直す | サービスの側が直す |
| やめるとき | データは手元にある | 持ち出せる範囲はサービスによる |
迷った場合は、まずフォームと表計算で小さく始め、予約の数や手作業の量が増えてきたら導入サービスか開発に切り替える、という順番も十分に成り立ちます。最初の段階でためた予約の記録は、切り替えるときの判断材料にもなります。
予約システムの導入費用の考え方
予約システムの導入費用は、どの方法を選ぶかで中身が変わります。金額だけで比べると見誤りやすいので、次の3つに分けて考えると比べやすくなります。
- 始めるときにかかるお金(初期費用、開発費、設定の作業代)
- 続けてかかるお金(利用料、サーバー代、保守の費用)
- 自分やスタッフの時間(作る時間、手作業で直す時間、覚える時間)
自作は1つ目が小さい代わりに、3つ目が大きくなりがちです。導入サービスは2つ目が続きます。開発を頼む場合は1つ目が大きくなる一方、業務に合わせられるぶん3つ目を減らせます。開発を頼む場合の費用の決まり方と内訳はWebアプリの開発費用で、サイトそのものの費用はホームページ制作の費用相場で詳しく説明しています。
サイトと一緒に予約の機能を持つ場合の例
お店のサイトと予約の機能をまとめて用意する場合の例として、uparia の料金表を挙げます(税込)。月額プランは制作費0円で、最低契約期間は12か月です。
| プラン | 料金 | 予約に関わる内容 |
|---|---|---|
| プレミアム(月額プラン) | 月額14,800円 | 制作費0円、最低契約期間12か月。予約・ブログ・SNS連携などの機能を含む。24か月続けた総額355,200円でサイトとドメインが自分のものに |
| しっかりプラン(買い切り) | 30万円〜 | 複数ページ、オリジナルデザイン、予約・地図・SNS連携 |
| 予約・カレンダー連携(買い切り向けオプション) | 20,000円〜 | 買い切りで作ったサイトに予約やカレンダーの連携を足す |
料金の詳しい決まりは料金ページにまとめています。予約の機能だけを独自の流れで作りたい場合は、上の表とは別に、業務の中身を聞いてから見積もる形になります。
LINE予約を導入する手順
お客さまとのやりとりがLINEに集まっているお店なら、LINEから予約できるようにすると、予約までの道のりが短くなります。LINE公式アカウントには、トーク画面の下に固定で出るリッチメニューがあり、ここに予約サイトなど外部のページへのリンクを置けます(出典: LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント」)。
- STEP01予約の受け方を決めるフォーム、予約サービス、自社の仕組みのどれで受けるか
- STEP02LINE公式アカウントを用意するお店の名前と案内文を整える
- STEP03リッチメニューにつなぐ予約ページへのリンクを置く
- STEP04試してから案内する自分のスマホで予約まで通してから店頭やサイトで知らせる
LINEは予約の入口で、空き枠や重なりを管理するのは予約ページの側です。入口より先に、予約を受ける仕組みを決めます。
LINEの中で予約を受けたい場合
予約サービスの中には、LINE公式アカウントと連携して、LINEの中で予約や通知ができるものがあります。対応しているかどうか、追加の料金がかかるかどうかはサービスごとに違うので、各サービスの公式サイトで確認してください。LINE公式アカウントの機能や料金は、LINEヤフー for Business の公式サイトで最新の案内を確かめられます(LINE公式アカウントの公式ページ)。
トークで予約を受けるときの注意
仕組みを用意せず、LINEのトークで「明日の15時は空いていますか」と受ける方法もあります。始めやすい反面、電話の予約と同じく人が台帳と見比べることになり、返信が遅れると取りこぼしにつながります。トークで受ける場合も、予約の一覧は1か所にまとめてください。
自作をやめて頼んだ方がよい条件と、迷ったときの進め方
自作で十分な場合も多い一方、次の条件に当てはまるなら、作ることに時間を使うより、人に頼むか導入サービスに任せた方が本業の時間を守れます。

頼んだ方がよい条件
- スタッフや部屋、席を分けて予約を受けたい
- 変更やキャンセルの手作業が、毎日の負担になっている
- 既製の予約サービスを試したが、業務の流れに合わなかった
- 予約と顧客の記録、売上の集計をつなげたい
- 作った仕組みを直し続ける人がいない
どの道を選ぶ場合も、最初にやることは同じです。今の予約の受け方、1日の予約の流れ、困っている手作業を紙に書き出してください。それがあれば、自作の範囲を決めるのにも、導入サービスを比べるのにも、人に頼むときの説明にも使えます。予約の仕組みを業務全体の中でどう位置づけるかは、中小企業のAI業務効率化の進め方で順番を説明しています。
uparia では、業務に合わせた予約の仕組みや小さな業務アプリの開発をお受けしています。内容と進め方は予約サイト作成と小規模な業務アプリ開発にまとめています。自作した仕組みの手直しや、導入サービスとの組み合わせ方の相談からでも頼めます。
よくある質問
予約システムは無料で自作できますか?
無料で使える入力フォームと表計算ソフトを組み合わせれば、予約を受け付けて一覧にするところまでは無料で作れます。ただし、空いている枠を自動で見せる、二重予約を防ぐといった機能は基本の機能だけでは難しく、人の確認で補う運用になります。自分の作業時間も費用の一部として考えてください。
プログラミングの知識がなくても予約の仕組みは作れますか?
フォームと表計算ソフトを使う方法や、作成サービスや WordPress に予約の機能を足す方法なら、プログラムを書かずに始められます。業務に合わせて細かく作り込みたい場合や、ほかの記録と自動でつなげたい場合は、プログラムの知識が必要になります。
電話の予約と、ネットの予約は一緒に管理できますか?
できます。電話で受けた予約も、ネットの予約と同じ一覧や予約サービスの管理画面に、受けたその場で入れる運用にすれば一緒に管理できます。別々の台帳に書くと二重予約の原因になるので、記録する場所を1つに決めることが大切です。
予約サービスから別のサービスに乗り換えることはできますか?
乗り換えはできますが、お客さまの情報や予約の記録をどこまで書き出せるかはサービスによって違います。導入する前に、書き出しの機能があるか、どの形式で出せるかを確かめておくと、乗り換えるときに困りません。
自作した予約の仕組みを、途中から業者に直してもらえますか?
多くの場合は頼めます。使っているフォームや表、プラグインの名前、ログインできる状態かどうか、今困っていることを伝えると話が早く進みます。仕組みの作りによっては、直すより作り直した方が早い場合もあるので、見てもらってから判断するのが安全です。






